吉野槇










Yoshino Podocarp 

ヨシノマキ
産地:日本(奈良県) 
奈良の吉野山に生る吉野槇。広く高野槇として一括りにされていますが、金峯山寺を中心とした吉野の地で歴史を刻んだものを分けて呼んでいます。花として日常使用されて枝や芯を取り去って使うことが多く、大きく成長させることがすくないと言われています。また、おおきな木は、昔から家具や建築用材にも加工され、マキ風呂などが重宝されてきました。吉野山如意輪寺の近くにある県指定文化財などは、もともと天然林ではなく、使うためにその昔植えられた人工林であると同時に、地域の人々によって枝などが切られた生活の跡が残されています。

木の力
視野を広げてくれる、上昇志向、大地の力、浄化


吉野樟










Yoshino Camphor Tree

ヨシノクス
産地:日本(奈良県) 
樟は葉からは樟脳が採取され、材のままでも芳香が強く、リラックス効果があります。主に南の暖地、特に海岸に多く分布します。また漢字の「楠」は南国から渡来した木を意味しています。日本書紀では、仏教公伝の翌年(553年)に河内国(大阪府)の茅渟海(ちぬのうみ)で見つかった光を放つ樟で仏像を作り、「吉野寺に光を放つ樟の像」として安置されていると記されています。この吉野寺とは、聖徳太子が建立したと伝わる比曽寺(比蘇寺)のこととされ、その流れを引き継ぐのが現在の世尊寺です。本尊の阿弥陀如来坐像は、光り輝く樟の伝承から、別名「放光樟像(ほうこうしょうぞう)」とも呼ばれます。こうして吉野の樟は古来からの関わりの中で大切に育てられています。

木の力
活力を与えてくれる、忍耐力、浄化、厄除け


吉野杉










Yoshino Cedar

ヨシノスギ
産地:日本(奈良県) 
国産材のブランドのひとつ。主に奈良県中南部の吉野林業地帯が産地の杉で、日本三大美林の1つ。代々間伐を続けて育てえてきた「250年の森」は、森林セラピーのスポットとして人気があります。吉野杉の植林の歴史は古く、およそ500年前、室町時代に始まったとされています。吉野杉は「吉野式」「吉野林業」と呼ばれる独特のスタイルで育てられ、100年や200年以上前に植えた木も多くあるのが特徴です。豊臣秀吉が大阪城や伏見城をはじめとした城郭建築や神社などの用材としたともいわれています。

木の力
成長を助けてくれる、素直さ、浄化、厄除け


吉野桧










Yoshino Cypress

ヨシノヒノキ
産地:日本(奈良県) 
杉と共に、日本を代表する木材で、なかでも奈良県吉野地方の桧は、木曽桧と共にブランド桧で通っています。奈良時代に書かれた歴史書『日本書紀』には、「杉と楠は舟に、桧は宮殿に、槇は棺に使いなさい」という記述があるそうです。その言葉の通り、古くから桧は城や宮殿、寺社仏閣などの大規模建築物において多く用いられてきました。桧の持つ強さや耐久性がその理由です。1300年前に建てられて、今も残る世界最古の木造建築・法隆寺にも、吉野の桧が使われているといわれています。

木の力
ストレスの軽減、精神的な強さ、高貴、浄化